創業以来蓄積してきた水素化反応と触媒調製の技術と経験を活かして、フロー反応用に圧力損失を小さくした新たな貴金属触媒を開発しております。粒度調整炭や球状活性炭にパラジウムや白金などの貴金属を担持させた触媒で、従来のバッチ反応で使用される粉末触媒と同様にあらゆる水素化反応に有効です。
現在、医農薬品、機能性化学品のほとんどは、大型の反応容器を用いたバッチ反応(バッチ法)で合成されています。古くからこの合成法が主流でしたが、近年ではチューブ型のリアクターや、触媒が充填されたカラムに反応基質を流しながら反応を行うフロー反応(フロー合成法)が、ファインケミカル分野においても注目されています。フロー反応は、必要分を無駄なく製造できることや、不均一系触媒を用いるプロセスにおいて生成物と触媒の分離工程を必要としない等の利点を有します。本技術は、石油精製や石油化学等の大型プラントにて用いられてきましたが、ファインケミカル分野に適応する為にはより高収率、高選択的に目的物を得る精密合成技術が求められています。
圧力損失を小さくする為に、粒度の粗い粉末活性炭を担体とした触媒です。従来の粉末触媒に近い感覚でご使用頂くことが可能で、小型カラムでの製造プロセスに有効な触媒です。優れた濾過性を有しており、バッチ反応にもご使用頂けます。
製品名 | 金属担持量 | 比重 | d50(Median size) |
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5%パラジウム粒度調整炭 | 5% | 0.3 g/mL | ca. 110 μm* |
5%白金粒度調整炭 | 5% | 0.3 g/mL | ca. 110 μm* |
*当社通常の粉末活性炭触媒:d50=25 μm
球状活性炭に貴金属を担持させた触媒です。均一性の高い真球状(ビーズ状)の活性炭を担体として使用しており、圧力損失が非常に小さいのが特徴です。安定した流量・圧力での運転が可能で、スケールアップや大量合成に適した触媒です。
製品名 | 金属担持量 | 比重 | d50(Median size) |
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3%パラジウム球状炭 | 3% | 0.6 g/mL | ca. 310 μm |
3%白金球状炭 | 3% | 0.6 g/mL | ca. 310 μm |
硫黄修飾3%白金球状炭* | 3% | 0.6 g/mL | ca. 310 μm |
2%ロジウム球状炭 | 2% | 0.6 g/mL | ca. 310 μm |
*脱ハロゲン化を抑制するために開発した官能基選択還元用触媒。硫黄化合物による触媒被毒により、通常の白金触媒以上の脱ハロゲン化抑制効果を示す。併せて当社HPのパラジウム炭素(Pd/C)とは?もご参照ください。
サンプルやその他のご相談の際には以下問い合わせフォームよりご連絡ください。
当社のフロー反応用触媒(球状炭触媒)が充填されたカラムも販売しております。詳細につきましては、(株)DFCまでお問い合わせください。
当社では古くから水素添加技術を得意とし、反応で使用する貴金属触媒は1950年代から自社開発・製造がはじまり工業化に成功しました。粉末活性炭にパラジウムや白金などの貴金属を担持した触媒で、あらゆる水素化反応に使用されます。また、お客様のご使用条件に応じた触媒のカスタマイズ、自社工業設備による水添反応等の委託合成も承っております。
当社のフロー反応用触媒をよりお客様でご使用いただく為に、圧力損失や耐久性能のデータ取得を目的としたスケールUP試験を実施しております。82時間以上の連続運転においても連続運転初期状態と同様の結果であることを実証済みです。