炭素繊維サイジング剤(樹脂と繊維間の界面せん断強度向上)アルミナナノファイバーゾル

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山野 山野

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アルミナナノファイバーゾル(ANF)の開発とCFRPへの応用

当社は、**炭素繊維サイジング剤として利用可能なアルミナナノファイバーゾル(ANF)**を開発しました。
このANFを炭素繊維の表面に被覆することで、樹脂と繊維の界面におけるせん断強度が向上し、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)への応用が期待されています。



アルミナナノファイバーゾル(ANF)とは

アルミナナノファイバーゾル(ANF)は、直径4nm、長さ1000~3000nmのベーマイトナノ粒子が水媒体に分散したコロイド溶液です。
このANFは、以下の目的で幅広い分野において使用・検討されています:
 ・ 熱的保護・改質
 ・ 化学的保護・改質
 ・ 機械的保護・改質
主な用途:
 ・ 無機バインダー
 ・ フィラー剤
 ・ コーティング剤
 ・ 表面処理剤




炭素繊維サイジング剤とは

炭素繊維サイジング剤とは、炭素繊維の表面に塗布される保護および機能性コーティング剤です。この処理は、炭素繊維を樹脂と組み合わせて複合材料として使用する際に重要な役割を果たします。
具体的には、以下のような効果があります:
 ・ 樹脂と炭素繊維の接着性を向上させる
 ・ 複合材料の機械的強度を高める
 ・ 製造・加工・輸送中の摩耗や損傷から炭素繊維を保護する
さらに、アルミナナノファイバーゾル(ANF)を用いることで、樹脂と炭素繊維の界面におけるせん断強度の向上が期待されています。

アルミナナノファイバーゾル(ANF)が炭素繊維表面に被覆している様子(SEM画像)



アルミナナノファイバーゾル(ANF)による界面せん断強度の向上

極めて低濃度のアルミナナノファイバーゾル(ANF)を炭素繊維表面に塗布することで、炭素繊維とエポキシ樹脂との界面せん断強度が向上することが確認されています。この効果により、複合材料の接着性や機械的性能の改善が期待されます。

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